映画『二重生活』大ヒット御礼トークイベント  ノンフィクションかと見紛う門脇麦の演技 “監督との間に言葉では共有しない信頼関係があった”

見ず知らずの他人を尾行し、いつしか禁断の行為にはまっていくヒロイン 珠を演じるのは、映画『愛の渦』、NHK連続テレビ小説『まれ』で一躍注目を浴び、本作が単独初主演となる門脇麦さんです。

妻子と暮らす珠の隣人で大手出版社勤務の敏腕編集者・石坂には、『シン・ゴジラ』など話題作への出演が続く長谷川博己さん。珠の恋人の卓也に菅田将暉さん、珠に尾行を勧める謎多き教授にリリー・フランキーさんなど、多彩なキャスト競演による、今までの日本映画にはない新感覚の心理エンターテインメント作品です。

7/12(火)に新宿ピカデリーにて大ヒット御礼トークイベントを行いました。主演の門脇麦さん、監督の岸善幸氏が登壇しました。MCからの二度、三度と繰り返し見た方は?との問いに次々と客席から手があがる一幕もありました。

 

< 「二重生活」大ヒット御礼トークイベン​ト  >

日時:7月12日(火)

場所:新宿ピカデリーシアター3

登壇者:門脇麦、岸善幸監督

6/25に公開された映画「二重生活」の大ヒット御礼トークイベントが行われました。本作で単独初主演を務めた門脇麦さんと、監督の岸善幸氏が登壇しました。岸監督はSNSなどで多数の感想が寄せられているのを見ているようで、「公開後にSNSで口コミなど見ていて、褒められると嬉しい、そして厳しい評価も真摯に受け止めて、励みにしていかないといけないと思いました。いずれの意見も、自分の糧にして進まねばという思いです。」と謙虚な姿勢で御礼を述べました。

また門脇さんは両親と3人で劇場に観に行った時のことを語り、「お客さんもみんな集中してスクリーンに映る珠の尾行を目で追っていて、なんだか幸せでした。」顔をほころばせました。

イベントの後半では、観客からのティーチインが行われ、さまざまな質問が飛び交いました。「あまりにも演技が自然で、居酒屋でだんだんと酔っ払っているシーンなんて、本当に酔っているのかと思いました」との感想に門脇さんは、「あれたしか朝の8時頃だったんですよね。」と笑って答えると、監督も「10テイク、カメラの動きなんかも調整すると、13テイクくらい撮ったシーンだね」と撮影の苦労話も飛び出しました。

マスコミ向けのフォトセッションでは、「口コミが広がってくれれば」と一般の方も撮影OK。たくさんのフラッシュとともにファンたちからの嬉々とした声も上がっていました。

 

《その他のQ&A》 

Q 尾行している感覚で見られておもしろいという口コミがありましたが、独特な撮影方法だったのですか?

岸:視線を大切に作った映画です。麦ちゃんが見ている視線と、映画の情報を伝える、いわば説明のような視線。この2つの視線を1セットとして撮り進めました。同じ芝居、同じ動きを麦ちゃん以外のキャストにも記憶してなんども演じてもらって。お客さんから「まるで自分が見ているみたい」という感想もあるみたいですね。

 

Q 長谷川さんなど から、岸監督はサディストだと言われたようですが、門脇さんは監督の現場はどうでしたか?

門脇:そもそもカメラマンさんもずっと手持ちカメラで撮ってたし、”自由に演じていいよ”という監督はたくさんいるけど、岸監督の”ご自由にどうぞ”は本当に際限が無い。部屋のシーンも、”卓也と珠と、二人がここで生活しています。はい、どうぞ!”という感じ。まるでテラスハウス気分ですよ(笑) もうそれを聞いて、ここに住んでしまおうと思いましたね。演技をするという概念を捨ててしまおうと。

サディスティック、についてですが、岸監督は人当たりがいいのに、ニコニコしつつ腹黒いところもちゃんとある。毒舌ですしね(笑)サディスティックというか、1シーン1カットこだわりと愛情を持って撮っているのに、それを編集でばっさりカットする精神力がすごい!  

 

Q 尾行シーンでの役作りの苦労はありましたか?

門脇:尾行はジッとみればいいので、楽しいんですよ。卓也との生活は初日と、その次の日の二日くらいで撮ったんですけど、自分の役が嫌な女にしか見えなくてもやもやして。でも監督と、何か明確な言葉で共有してしまうと逆に枠のようなものにはまってしまうようでそれも嫌で。1カット終わったあとの「OK」という言葉と、1日撮影が終わったあとの「大丈夫でした?」「うん、大丈夫」という確認の一言で、だんだんと役を理解して、積み上げていった感じです。

 

【ストーリー】 

表参道、渋谷…移りゆく東京の街の風景のなかで、見ず知らずの他人を尾行し、いつしか禁断の行為にはまっていくー

大学院で哲学を学ぶ珠(門脇麦)は、修士論文の準備を進めていた。担当の篠原教授(リリー・フランキー)は、ひとりの対象を追いかけて生活や行動を記録する“哲学的尾行”の実践を持ちかける。同棲中の彼(菅田将暉)にも相談できず、尾行に対して迷いを感じる珠は、ある日、資料を探しに立ち寄った書店で、マンションの隣の一軒家に美しい妻と娘とともに住む石坂(長谷川博己)の姿を目にする。作家のサイン会に立ち会っている編集者の石坂がその場を去ると、後を追うように店を出る珠。こうして珠の「尾行する日々」が始まったー。

 

監督・脚本:岸善幸「ラジオ」「開拓者たち」 音楽:岩代太郎  原作:小池真理子「二重生活」(角川文庫刊)

出演:門脇麦 長谷川博己 菅田将暉 / 河井青葉 篠原ゆき子 西田尚美 烏丸せつこ/ リリー・フランキー

2015年/日本/カラー/126分/16:9/デジタル5.1ch/R15+ 製作:「二重生活」フィルムパートナーズ 制作プロダクション:テレビマンユニオン  

製作・配給:スターサンズ 配給協力:コピアポア・フィルム 宣伝:ミラクルヴォイス+Prima Stella  R–15 

©2015『二重生活』フィルムパートナーズ

http://nijuuseikatsu.jp

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