Shusei’s Project、リーダーの塚本周成と歌姫として参加した2人の声優、雅絢恵と相馬優が壮大な「夢」の物語を語る

日本のプログレッシヴ・ロック界を代表するバンド「アウターリミッツ」「ヴィエナ」のキーボーディストであり、作曲家/編曲家としてLOUDNESSの二井原実やX JAPANのTOSHI、GACKTとも作品をコラボレートし、近年では、アニメ「だんちがい」や「おじさんとマシュマロ」の劇伴やテーマ曲なども手がけているShuseiこと塚本周成氏です。

  彼が、このたびシンフォニックロック・プロジェクト”Shusei’s Project”を立ち上げ、ストレンジでファンタジックな音絵巻『Same Dreamer』を作りあげました。Shusei氏は二人の歌姫として、劇場盤アニメ「カゲロウデイズ-in a day’s-」やラジオドラマ「VIOLATOR~月光大戦~」のアヤ少尉、パチンコ「CR聖戦士ダンバイン」で流れる『Aura eyse』の歌を担当した声優の雅絢恵さんです。アニメ「ミリタリ!」「ただういてるだけのものたち」、ゲーム「ヒーローズプレイスメント」や「ヴァリアントナイツ」で声優として出演している相馬優さんを起用しました。Shusei氏の創り上げた壮大かつ幻想的な音が彩る不思議の国の中で起こる七編の物語(内、1曲はインスト) を、語り部となった二人が情感たっぷりに歌いあげました。

 

アルバム『Same Dreamer』の特色は、収録した7曲それぞれが異なる「夢の物語」を描きながら、曲順通りに聴くと、連綿と連なる一つの壮大な人間ドラマとして見えてゆくこと。ジャケットに描かれた、獣の皮を身にまとった旅人が砂漠の先に捉えた文明都市。一見、太古と現代が錯綜する画に見えるが、この絵が、アルバム『Same Dreamer』を聴くうえで様々なイマジネーションを掻き立ててゆくのも事実です。

  『夢』に登場する砂の海を歩く旅人。この旅人は目的を持って旅をしているのか、それとも何かから逃げるように砂漠へと迷い込んだのか!?。『Border』で生きた意味を問いかければ、『戦いの中で』では、大切な存在を守るために戦いへ命を賭けてゆく。死を目前としたときに感じた愛しき人との安らぎの時間と感謝の想いを記した『最後の言葉』。中には『Black Card』のような、束の間の成功に溺れ夢と現実が混濁してゆく人も登場する。『Same Dreamer』を含め、物語一遍一遍へ「夢」にまつわる時空を超えたエピソードを描きながら、最後に収録した『夢の始まり』で予想を覆す「夢の答え!?」を、この作品は示してゆくのです。

  楽曲も、一つ一つが物語の展開に合わせ表情を様変えてゆく組曲のような形を取っています。それが七編繋がったときに、アルバム『Same Dreamer』という交響曲になります。

 Shusei氏は、アルバム『Same Dreamer』について、こんな言葉を寄せてくれました。

「 「夢」をテーマに制作したアルバム『Same Dreamer』ですが、その「夢」も、いろんな時代を通して描いています。今回、意図的に時代性を反映させたのは「Black Card」のみ。他の楽曲たちは、何時の時代なのか、そこは受け手側のイメージで捉え楽しめるようにしました。なので、聴く人によっては近代を舞台にしていると捉えるかも知れないし、遥か過去の世界と受け止め解釈してゆくかも知れない。

  しかも『Same Dreamer』の面白さが、全体を通してファンタスティックな物語になっているのではなく、収録した一曲一曲が独立した物語でありながら。「夢」という共通したテーマによって一つの連なりを創りあげていること。しかもその「夢」は、この世に人類が誕生したときから存在していたものであり、その「夢」を介して、人は栄枯盛衰を連綿と繰り返しながら今へと繋がっている。「Black Card」以外の曲たちがいろんな時代の中へ投影しても映えるのは、そういうことなんです。

  「Black Card」だけ明確に現代を描いたのは、作品全体の流れにメリハリを付けるため。『Same Dreamer』というアルバム自体が独立した物語たちと言いながらも、人類の歴史の歩みと同じように、冒頭を飾った『夢』から最後を飾る『夢の始まり』まで雄大な時の流れを持って続いている。その中へ、楽曲の表情とは異なる面で明確に見える起伏を入れたほうが、聴いているほうも刺激になって面白いじゃない」

 

  一曲一曲に明確な主張や想いを携えたドラマがあるからこそ、触れたとたんに曲たちへスーッと引き込まれ、最後のどんでん返しまで不思議な物語へ引き込まれてしまう。昨今では、アニメやゲームのテーマ曲や劇伴を通しシンフォニックな音楽に慣れ親しんでいる人たちも多いだろう。それらの音楽の源流の一つとなったのがプログレッシヴ・ロック。つねにプログレス(進化)し続けるこのジャンルの音楽の神髄を、ぜひ、Shusei’s Projectの描き出した『Same Dreamer』というアルバムを通し、感じていただきたいです。

[TEXT:長澤智典氏/PHOTO:橋本美波氏(取材風景)]

 

王様ロック Web http://kings-rock.jp/

雅絢恵 twitter https://twitter.com/AyaE_0421

相馬優 twitter https://twitter.com/soumayuu

 

★CD情報★

Shusei’s Project『Same Dreamer』

KICS-3473/¥3,000 + 税/KINGRECORDS/NEXUS

ジャパニーズ・プログレッシヴ・ロックを代表するアウター・リミッツやヴィエナに在籍していたキーボーディスト兼作曲家Shusei(塚本周成)と女性声優陣がコラボレーションしたシンフォニック・ロック・プロジェクト。

TRACK LIST

01.夢

02.Same Dreamer

03.Border

04.Black Card

05.戦いの中で

06.最後の言葉

07.夢の始まり

All Songwriting And Arrangements by Shusei

 

★映像★

http://kings-rock.jp/movie/2017/01/shuseis-project.php

 

 

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