第74回ゴールデン・グローブ賞では作品賞(ドラマ部門)受賞、第89回アカデミー賞では8部門にノミネートされ、作品賞、助演男優賞、脚色賞の3部門を受賞した『ムーンライト』です。
全国大ヒット上映中の本作に関しまして、これから観る人も、リピートする人も楽しめる情報です。
タイム誌、NYタイムズ誌など全米メディアから、「2016年ベスト1ムービー」に選出され、「革命だ」/「この映画を観終わって映画館を出る時に、人生が変わっている」‐ローリングストーン誌/「この映画こそが、我々が映画を観る理由なのだ」-タイムアウト「革新的な映画」NYタイムズ/「これ以上望むことはないくらい完璧」―タイム誌/「アメリカの歴史においてターニングポイントになる」―ビジネス・インサイダーなどの各誌レビューにあるように、世界中から熱狂的な賛辞が贈られました。
LGBTQのラブストーリーが作品賞を受賞したのはアカデミー賞史上初、さらに黒人だけのキャスト・監督・脚本家による作品が作品賞に輝いたのも史上初、2つの史上初を達成し「革命」と評されながら、映画史に残る純粋な愛の物語である本作は、ウォン・カーウァイ監督『ブエノスアイレス』など過去の名作映画へのオマージュが発見できることも大きな楽しみです。
◆ウォン・カーウァイ『ブエノスアイレス』(97)
『ムーンライト』の中には、20年前のあの愛の名作が生きていた
『ムーンライト』で、30代になったシャロンがケヴィンに再会するために車で旅立つ時に流れる音楽は、カエターノ・ヴェローゾが歌う「ククルクク・パロマ」。97年カンヌ国際映画祭監督賞を受賞した『ブエノスアイレス』のオープニングで印象的に使用された曲。歌の内容は、亡くなった恋人を想い嘆き悲しみ、死んで一羽の鳩に生まれ変わってなお恋人の帰りを待つ男の寓話を歌ったもの。
映画好きになった時に「ジャン=リュック・ゴダールやウォン・カーウァイの映画を観ていた」というバリー・ジェンキンス監督は、インタビューで
「この選曲はあえて意図したものだ。同じ曲が『ブエノスアイレス』でかかっていて、これは直接的なオマージュなんだ。ブラックの車がハイウェイを走るシーンの撮影の仕方まで、『ブエノスアイレス』と同じにしているんだ。」と語る。「『ブエノスアイレス』を初めて観た時のことは鮮明に覚えている。僕にとって、初めて観る同性愛を描いた映画だった。『ブエノスアイレス』は僕にたくさんのことを与えてくれた。」と思いを語っている。
SNS でも「ブエノスアイレスのあの曲がかかった時は鳥肌たった」「胸が熱くなった」という声が挙がっている。
このシーン以外にも、シャロンとケヴィンが対面するシーン、シャロンの夢に現れるケヴィンのシーンなど、『ブエノスアイレス』と同じ構図で撮られているという指摘も多くあり、『ムーンライト』が20 年前の愛の名作に強いリスペクトをしていることが発見できる。
『ブエノスアイレス』作品情報 ※All Cinema より
香港映画界の鬼才、ウォン・カーウァイ監督が男同士の切ない愛を描いた恋愛ドラマ。惹かれ合いながらも、傷つける事しかできない男と男の刹那的な愛を綴ってゆく。徹底的に突き放した視点で彼等を捉える事で、より深い感情の揺れ動きを捉える手腕は流石。またアルゼンチンの雄大な自然美や、アストル・ピアソラの切ないメロディが映画を効果的に彩る。トニー・レオン、レスリーチャン共演。南米アルゼンチンへとやってきた、ウィン(レスリー・チャン)とファイ(トニー・レオン)。幾度となく別れを繰り返してきた2人は、ここでも些細な諍いを繰り返し別れてしまう。そして、ファイが働くタンゴ・バーで再会を果たすが…。
◆ホウ・シャオシェン、クレール・ドゥニほか外国映画からの影響
「具体的にオマージュを捧げているのは『ブエノスアイレス』だけだ。」と語るバリー・ジェンキンス監督だが、
続けて「他の映画の存在を感じられるはずだ」と語る。
『ムーンライト』制作準備期間に参考にしたとして挙げた外国映画として『ブエノスアイレス』の他、ホウ・シャオシェン監督『百年恋歌』(05)、チャールズ・ブルネット『Killer of Sheep』(77/日本未)、クレール・ドゥニ『美しき仕事』(99)を挙げている。
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【イントロダクション】
自分の居場所を探し求める主人公の姿を、色彩豊かで革新的な映像美と情緒的な音楽と共に3つの時代で綴ったこの愛の物語に、世界中が瞬く間に虜になった。
なぜ『ムーンライト』が世界中を魅了しているのか―。それは、人種、年齢、セクシュアリティを越えた普遍的な感情が描かれているから。
どうにもならない日常、胸を締め付ける痛み、初恋のような切なさ、いつまでも心に残る後悔・・・思いもよらない再会により、秘めた想いを抱え生きてきたシャロンの暗闇に光がさしたとき、私たちの心は大きく揺さぶられ、深い感動と余韻に包まれ、深い感動と余韻に包まれる。エグゼクティブプロデューサーにブラッド・ピットを迎え、キャストには主人公の母親に『007』シリーズのナオミ・ハリス、少年の父親代わりになる男に人気ドラマ「ハウス・オブ・カード野望の階段」で人気を博したマハーシャラ・アリ。そしてそれぞれの時代で主人公シャロンを演じた3人の俳優は、同じ内面を感じさせる“目”を持ち、一人の人間の感情の揺れ動きを見事なまでに表現している。
【STORY】
名前はシャロン、あだ名はリトル。内気な性格で、学校ではいじめっ子たちから標的にされる日々。そんなシャロンにとって、同級生のケヴィンだけが唯一の友達だった。高校生になっても何も変わらない日常の中、ある日の夜、月明かりが輝く浜辺で、シャロンとケヴィンは初めてお互いの心に触れることに・・・
監督・脚本:バリー・ジェンキンス
エグゼクティブプロデューサー:ブラッド・ピット
キャスト:トレバヴァンテ・ローズ、アンドレ・ホーランド、ジャネール・モネイ、
アッシュトン・サンダース、アレックス・ヒバート、マハーシャラ・アリ、ナオミ・ハリス
提供:ファントム・フィルム/カルチュア・パブリッシャーズ/朝日新聞社
配給:ファントム・フィルム【2016/アメリカ/111分/シネマスコープ/5.1ch/R15+】
原題:MOONLIGHT
『ブエノスアイレス』クレジット